わかりやすい!商標登録講座

初級編

iPadに見る商標権の恐ろしさ

 

Point
商標登録をしていなければ、事業活動の停止、多額の金銭の支払いが発生することがある。

1.Appleでも・・・商標権の恐ろしさ

商標権の恐ろしさは、ある日突然やってきます。

顧客もいる、商品の人気も上々、全てが上手くいっている。 しかし、商標登録をしていないために、ある日朝起きたときに、自社の商品が突然売れなくなったり、多額の金銭の支払いが必要になることがあるということです。

例えば、 Apple社の場合は『iPad』を商標登録をしていないために約6000万ドル(当時約48億円)もの支払いが必要になりました。

Apple社が多額の費用を支払った相手は、中国の企業でした。

商標を外国で使用するためには、使用したい国ごとに商標登録をしなければなりません。
そのため、中国で『iPad』というネーミングを使用するためには、中国で商標登録をする必要がありました。

しかし、中国ではApple社より先に商標登録をしている企業があったため、このままでは『iPad』というネーミングを使うことができません。

そこでApple社は『iPad』を名称変更するという選択肢もあったとは思いますが、約6000万ドル(当時約48億円)を相手に支払うという道を選びました。
Apple社は、『iPad』というネーミングの価値を考えると、名称を変更するより約6000万ドル(当時約48億円)の支払いの方が良いと判断したのでしょう。
(また、損害賠償を請求されていたので、それを防ぐという意味もあったと思います)

2.まとめ

このように、商標登録をしていなければ、
事業活動が停止する多額の金銭の支払いが発生する、という大きなリスクを持つことになります。

そのため、特に重要な商品やサービスのネーミングは商標登録をすることをお勧めします。