わかりやすい!商標登録講座

中級編

特許出願等援助制度とは? ——アイデアをカタチにしたい人のための「日本弁理士会のあたたかい支援

「良いアイデアはある。でも、出願費用の負担が重い…」
そんな発明者・起業家をそっと後押しする制度があります。
それが 日本弁理士会の『特許出願等援助制度』 です。

「制度って難しそう…」と思われがちですが、ポイントさえ押さえればとてもわかりやすい仕組みです。
優れたアイデアを形にしたい方には、心強い味方となります。


🔍 この制度で何が援助されるの?

援助の対象となるのは、以下の出願に関する費用の一部です。

  • 特許出願

  • 実用新案登録出願

  • 意匠登録出願

  • 商標登録出願(事業で使用するもの)

📌 外国出願は対象外
📌 弁理士に依頼して行う出願のみ対象

費用の上限は次の通りです:

出願の種類 援助金の上限
特許 最大15万円
実用新案 最大10万円
意匠 最大7万円
商標 最大5万円

※拒絶理由対応や審判費用、登録料などは含まれません。


どんなアイデアが対象になるの?

制度の核心はここです。
単に「何か思いついた」だけでは援助対象になりません。
ポイントは、社会に役立つ“有用性” です。

✔ 有用性のある発明・デザインとは?

  • 新しい価値を生み出す可能性がある

  • 特許等になる蓋然性が高い

  • 新規性(まだ世に出ていない)がある

※公知になってしまったために「新規性喪失の例外」を使う出願は対象になりません。

✔ 事業活動の有用性とは?

  • すでに事業を実施している、または具体的な計画がある

  • 社会への貢献が見込まれる

さらに、申請時点で 出願がまだ行われていないこと が必須です。


👤 援助を受けられるのはどんな人?

申請者の経済状況によって判断されます。

■ 個人

同一世帯の年間所得合計が、規定の基準以下であること。

■ 中小企業

次のいずれかに該当すれば申請できます:

  1. 設立7年以内 & 直近の純利益が500万円以下

  2. 設立7年以上 & 直近の純利益がゼロ以下

「アイデアはあるが、資金面が苦しい」という方への支援策です。


📝 申請に必要な書類は?

申請フォームから必要書類をアップロードします。

主な必要書類

  • 住民票または登記事項証明書

  • 所得・資金状況がわかる書類

  • 発明・デザイン・商標の説明書(所定様式)

  • 実施計画書(事業化の予定や活動内容)

スタートアップや個人であっても提出可能な書類ばかりです。


🏛 どのように審査されるの?

知的財産支援センターで、毎月1回程度、援助の可否が審査されます。
必要に応じて短い面接が行われることもあります。

大切なのは、

  • 申請内容

  • 発明や事業の有用性

  • 経済状況

などのバランスです。

審査内容や不採用理由は公開されません。
ただし、支援を受けた案件は、援助金額や受任弁理士名などの概要がHPに掲載されることがあります(氏名等は同意がある場合のみ公開)。


💴 援助金はいつもらえるの?

援助が決定し、出願が完了した後、弁理士会が確認を行い、問題なければ支払われます。

つまり、
①援助決定 → ②出願 → ③確認 → ④援助金支払い
という流れです。


⚠ 援助が取り消されることもあります

たとえば:

  • 申請前に既に出願していた場合

  • 申請者と出願人が一致していない場合

  • 1年以内に出願がなされない場合

  • 虚偽が判明した場合

などは援助取り消しの対象となります。


🌟 この制度の本質 —— 弁理士会からの“応援メッセージ”

特許出願等援助制度は、
「お金がなくても、良い発明は世に出すべきだ」
という理念のもと、弁理士会で作り上げた仕組みです。

技術は社会を前に進めます。
デザインやブランドは、人の暮らしや産業の可能性を広げます。

ひとつの小さなアイデアが、未来を変えることだってある。
そんな“芽”を守り育てるための制度です。

挑戦する人の背中を、そっと押してくれる存在。
同じものづくりを応援する仲間として、
ぜひこの制度を知っていただきたいと思います。

特許出願等援助制度 | 日本弁理士会