中国商標はマドプロをおすすめしない理由
― 実務では「中国だけ現地代理人出願」が多い本当の理由 ―
海外商標出願で
「費用を抑えたい」「まとめて管理したい」
という理由から、マドリッドプロトコル(マドプロ)で中国を指定する企業は少なくありません。
しかし、実務の現場では
「中国だけはマドプロを使わず、現地代理人で個別出願する」
という選択が非常に多いのが実情です。
その最大の理由は、
👉 中国で実際に“使える登録証明書”を、スムーズに取得できない点にあります。
以下、実務上とくに重要なポイントを整理します。
理由:中国では「登録証明書の取得タイミング」が実務に直結する
■ 中国商標は「登録されたか」だけでは足りない
中国では、
**商標登録の事実を証明する「登録証明書」**が、
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ECプラットフォーム(天猫・京東など)
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行政手続
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模倣品対策・削除申請
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ライセンス・譲渡
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税関登録
など、あらゆる場面で要求されるのが実務です。
つまり、
「登録されている」
だけでなく
👉 「提出できる登録証明書があるか」
が極めて重要になります。
■ マドプロ指定の場合、中国の登録証明書は“自動では出ない”
中国をマドプロ指定した場合、
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中国商標局(CNIPA)から
登録証明書は自動では発行されません -
原則として
権利者側が別途申請して初めて取得する必要があります -
しかも
拒絶期間(12~18か月)が完全に経過した後でなければ
登録証明書の申請自体ができません
その結果、
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国際登録日から
登録証明書を入手できるまで約20か月前後
かかるケースも珍しくありません
一方で、
■ 中国現地代理人による直接出願の場合
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審査が順調に進めば
出願から約10か月前後で登録 -
登録後、
中国で使用可能な正式な登録証明書(電子登録証)を速やかに取得可能
👉 実務上のスピード差は非常に大きいのが現実です。
■ 「後から証明書を取ればいい」は、実務では危険
「登録証明書は後で請求すればいいのでは?」
と思われがちですが、実務では以下の問題が起こります。
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EC出店・ブランド登録のタイミングに間に合わない
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模倣品対策をしたい時に証明書が出せない
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現地代理人を“後出し”で探す必要がある
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結果として
時間・手間・費用がかえって増える
特に中国は
**「スピードが遅れた側が負ける市場」**です。
登録証明書が手元にない間に、
第三者に先手を打たれるリスクも現実的に存在します。
【結論】中国だけは「最初から現地代理人出願」が合理的
以上を踏まえると、
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マドプロ自体が悪いわけではない
-
しかし
中国については、制度と実務が噛み合っていない
というのが正確な評価です。
そのため実務では、
「中国だけはマドプロを使わず、現地代理人で単独出願」
という判断が広く採られています。
■ 特に注意が必要なケース
以下に当てはまる場合は、
中国マドプロ指定は慎重に検討すべきです。
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中国で実際に事業展開予定がある
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天猫・京東など中国ECで販売予定
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模倣品対策・削除申請を想定している
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早期に権利行使できる状態を作りたい
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長期的に中国でブランドを守りたい
当事務所の対応方針
当事務所では、
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中国商標については
信頼できる中国現地代理人を通じた直接出願を基本方針としています -
マドプロとの併用可否も含め、
事業内容・スケジュールに応じて最適解をご提案します
中国商標で後悔するケースは、
「制度を知らなかった」ことが原因であることがほとんどです。
ご相談は無料です。
お気軽にお問い合わせください。



